みなさん日頃から脚、特に足の指までよく観察しケアしているでしょうか?
今回は車椅子ユーザーの悩みの一つである巻き爪についての情報をお伝えします。
巻き爪は車椅子ユーザーばかりでなく健常な人でも起こりうる現象です。
健常者であれば窮屈な靴やハイヒールを長時間履いたり、過体重などによる圧力などが原因になることとが多いと思います。
車椅子ユーザーでは立つ、歩く機会が減る事で「荷重」が少なくなる事が巻き爪と関係しているのです。
「荷重」ー「巻き爪」がどのような関係があるのか説明していきます。
爪のアーチ構造について
足の爪は手の爪に比べてアーチ構造になっています。
実際に手と足の爪を見比べていただけるとその違いがわかると思います。
日常でも様々な物にこのアーチ構造が使われており、例えばレインボーブリッジや錦帯橋があります。
アーチ構造を作ることによって耐久性をUPさせるといった役割があるため、橋の多くはアーチ構造をしています。
足の爪では立つ、歩く時に体重によってアーチ構造を押し広げるような力を受けます。
一方で押された爪は反発し、アーチ構造を維持するため「巻く力」が働いていると考えられるそうです。
骨折や長期間の寝たきりで、荷重による「広げる力」がかからなくなると,爪の広げる力と巻く力のバランスが崩れて「巻く力」だけが残り、巻き爪が起こるとされています。
健常者では過体重や窮屈な靴を履き続けることで「巻く力」が強くなり巻き爪が発生しています。
車椅子ユーザーでは立ったり、歩いたりといった機会が減ることで爪を「押し広げる」力が少なくなり、巻き爪が発生していると考えられます。
巻き爪の調査報告によると、脊髄損傷者の方では巻き爪を経験する人が多いそうです。
特にケイセイ麻痺による足指へ圧迫刺激が大きな原因の一つとされています。
脊髄損傷者は感覚障害があることから圧迫や刺激などに気がつきにくいため、靴の中で足趾が曲がったままになっていないか、靴の中に異物が入っていないかなどを意識して注意する必要があります。
車椅子ユーザーの巻き爪ケア
巻き爪の対策でもっとも重要なことは足に荷重をかけることです!
リハビリやトレーニングで立つ、歩く動作はその動作の上達といった面以外にも荷重をかけて巻き爪を予防しているとった役割が含まれているんです。
なのでまずは足に体重をかけること!
荷重する事で爪の巻く力と広げる力の均衡を保ちましょう!
一人で立ったり、歩いたりが難しい方は日頃のケアがとても重要にです。
靴を履いた時、足指の向きに注目してください。
そして一日一度はご自身の足、指、爪まで意識してマッサージや保湿クリームでケアしてみてください。
そうすることできっとあなたの足は変化を見せると事でしょう!
参考文献
- 「巻き爪の発生メカニズムに則した治療方針とは」原 著 聖マリアンナ医科大学雑誌Vol. 42, pp. 53–60, 2014
- 「脊髄損傷患者の巻き爪に対する実態調査」