今回のユニバーサルトレーニングセンターの記事は車椅子ユーザーの猫背対策になります。
車椅子生活をしていると自然と猫背になってしまうことはよくある事です。
猫背や悪い姿勢に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
猫背を放って置くと、影響で肩こりや怪我に繋がることも。
車椅子ユーザーの上半身の怪我は生活を一変させる脅威なものですので、猫背を侮ってはいけません。
今回はなぜ車椅子ユーザーは猫背になりやすいのか、そしてその対応策について考えていきたいと思います。

車椅子ユーザーの猫背の原因
それでは、まずなぜ車椅子ユーザーは猫背になりやすいのか。
その原因から解説しましょう。
猫背になってしまう原因は大きく分けて3つあります
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車椅子動作の影響
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身体を伸ばす動作の減少
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座位バランスの不安定性
それぞれ一つ一つ詳しく見ていきましょう。
車椅子動作の影響
1つ目は車椅子動作の影響によるものになります。
車椅子は基本的に常に前方向にしか進みません。
バックするときもターンをしてから前に進むと言う動作になります。
そのため、車椅子をこぐ動作は常にタイヤを前に押す動作になります。
この動作を多く行うと必然的に車椅子を漕ぐときに必要な身体の前面の筋肉が発達してしまい、ケアをしていないと筋肉がどんどん硬くなってしまいます。
また移乗動作も同様です。
車椅子からベッドや車に乗り移るときも、身体を前に屈めて肩甲骨から前に押し出すような形で身体を浮かします。
やはりこの動作でも同様に身体の前面の筋肉(主に前鋸筋)を使うので、その影響で猫背になりやすくなってしまうのです。
身体を伸ばす動作の減少
2つ目は身体を伸ばす動作の減少です。
車椅子生活になってしまうと、どうしても身体を伸ばす機会が少なくなってしまいます。
身体をまっすぐに伸ばす機会と言えば、寝るときぐらいに限定されるのではないでしょうか?
それ以外の時間は基本的に座位姿勢、つまり身体が曲がっている状態です。
座位姿勢では下半身は常に曲がっている状態になります。
股関節と膝は曲がりっぱなしの為、硬くなりやすく、たまに伸ばすだけでは真っ直ぐに伸び切らなくなるほど筋肉が硬くなってしまうこともあります。
また下半身同様、上半身に関しても身体を反って起こす機会が一気に減少してしまいます。
その為、身体を伸ばさないでいると、身体はどんどん丸まってしまい、これも猫背になる原因となってしまうのです。

座位バランスの不安定性
車椅子生活をしている方は身体に麻痺がある方が多く、体幹に麻痺がある方も多くいらっしゃる事でしょう。
その為、座位姿勢が不安定になりやすくなってしまいます。
特に頸髄損傷など四肢麻痺では体幹部の麻痺のため、多くの場合、背もたれが高い車椅子に寄りかかるように座っています。
仮にバランスが取れたとしても、肩でバランスを取ることが多くなってしまうので
自然と猫背になってしまうのです。
なんで猫背を治す必要が?
実は、車椅子ユーザーの猫背が続いてしまうと以下の体調不良を起こしてしまうことも。
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肩こりが助長される
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腰痛の原因に
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車椅子駆動の悪化
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呼吸がしづらくなる
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目の疲れ
などなど身体の様々な不調に繋がってしまうのです。
そしてこれらの症状が出ていても車椅子生活からは逃れられない為、
さらに酷使して生活を続けなければいけません。
結果的に怪我に繋がってしまうこともあるので、猫背を侮ってはいけないのです。

車椅子ユーザーの猫背対策は
車椅子生活だから、猫背になってしまうのは仕方ない!
とお考えの方も多いと思います。
もちろん、ある程度は姿勢を安定させるために必要な場合もあります。
しかし、しっかりケアをすれば改善できることもあるのです。
それではどのようにして猫背を予防していけばいいでしょうか?
それは先ほどの原因に対して一つずつ対策を取っていけばいいのです。
原因1の車椅子動作の影響については車椅子生活を送るだけでも自然と上半身は硬くなってきてしまいます。
その為の上半身のストレッチをすることである程度緩和できます。
車椅子ユーザーの上半身ストレッチに関しては以前
車椅子ユーザーでもできる肩こり改善セルフエクササイズ
こちらの記事でも書いていますので、是非参考にしてみて下さい。
原因2の身体を伸ばす動作の減少に関してはしっかりと身体を伸ばす機会を作ることで緩和できます。
出来る限りでいいので、身体を反る時間を作ったり、横になる時間を確保してあげましょう。
原因3の座位バランスの不安定性に関しては一番アプローチが難しい所だと思います。
座位バランスが安定しているのなら、初めからいい姿勢を保っていますもんね。
個人で座位バランスを安定させようとしてもなかなか難しいですが、今回はそんな方でも使用できるオススメのアイテムをご紹介します。
こちらのアイテムは猫背サポーターといって丸まった姿勢を自然と起こしてくれる物になります。
これを使えば普段猫背になってしまっている人も身体を起こすように引っ張られるので
自然と身体が起きてきます。
実際に何人かの車椅子ユーザーに使ってもらったのですが、いつもより身体が起きているような感じがするといった感想や
肩に余計な力が入らなくなるので、肩が楽になるといった感想もありました。
類似商品もたくさんあり、代替可能ですので、ぜひお身体に合う物を探してみて下さい。
使用時の注意点としては、身体が起きすぎるといつもとは違った姿勢になるので、バランスが若干難しくなったり、車椅子を漕ぐ際に漕ぎ位置が少し後ろに移る為、漕ぎづらさが出てしまう可能性もあることです。
徐々に使っていけば身体を慣らしていくことも可能ですし、体幹部のトレーニングにもなりますので、是非使ってみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回の記事をまとめると
車椅子ユーザーが猫背になりやすい理由は3点あり
- 車椅子動作の影響
- 身体を伸ばす動作の減少
- 座位バランスの不安定性
以上の理由から猫背になりやすくなってしまう。
そのまま放置しておくと肩こりや痛み、そして車椅子動作がしづらくなってしまいますが、しっかり日々のストレッチやより良い座位姿勢などを意識することで猫背が改善できるというお話でした。
是非みなさんも参考にしてみて下さい!