麻痺があっても大丈夫?脳卒中で変化した脳は新しい脳に書き換えられる!

今回は脳卒中後の「脳の変化」についてご紹介します。
脳の変化についてわかりやすい動画を見つけたので、その動画と一緒にご紹介させていただきます。

動画は英語で説明されているので、以下の和訳と一緒にご覧ください。

脳神経の可塑性(カソセイ)

The Sentis Neuroplasticity: 神経可塑性(シンケイカソセイ)動画和訳

少し前まで、多くの科学者はこう信じていました。
「脳は小児期を過ぎると変化しなくなり、 大人になる頃には固まってしまう」と。
しかし、ついこの10年間の医学の発展でそれが間違いだとわかりました。

脳は生涯を通じて変化できるの柔軟な物なのです。

神経科学者はこの性質を神経の可塑性(シンケイカソセイ)と呼んでいます。
可塑性というのが柔軟に変化し、新しい性質を覚える事ですね。

では、神経可塑性はどう働くのでしょうか?

脳を動的に接続された送電網と置き換えてみましょう。
そこには思考や感覚、行動のたびに明かりがつく経路が何十億本も走っています。
なかには伝達速度の速いものがあり、それらは習慣、つまり定着した思考、感覚、行動の様式に相当します。

私たちが特定の様式で考えたり、行動したり、感情を感じるたびに、この経路はどんどん強化されていきます。そして、脳の信号がこの強化された経路を通りやすくなるのです。

では別の考え方をする場合、新しいことを学習する場合、別の感情を感じる場合はどうでしょうか。
そのようなときは新しい経路が切り拓かれますが、そこを通り続けていると、脳はその経路をより頻繁に使うようになり、その新しい思考、感情、行動の様式が習慣になっていきます。

そして、古い経路はだんだん使われなくなり、弱まります。
ここが注意しなけらばならないところです。

麻痺した手足だけでなく脳への意識を!!

ご紹介した動画は脳の変化を図でわかりやすく説明しています。
脳卒中や脊髄損傷では動かしにくくなった手足を意識しがちですが、それは根本的には脳や脊髄が損傷を受けたことによる影響です。

動かしにくくなった身体をそのままの状態に放置していると、手足だけでなく、脳機能もどんどん衰退していきます。
またがむしゃらに動かせばいいというものでもありません。

生活習慣や食事、喫煙、運動によってもたらされる結果として、脳も多種多様に変化していきます。

今からから動かす部位や動かし方をしっかりと脳で考えながら運動を行ってくみてください。
あなたの脳も多様に変化し新たな可能性を切り開くことができるかもしれません!

脳は不使用の学習をしてしまう!

ここから2020/10/31更新の情報

不使用の学習とは・・・

研究によると右手にギブス装着し全く動かさなさない状態を作った後、5日後にギブスを外した手を動かした結果、右手を動かすための脳の活動性が低下している事がわかったそうです。

これは脳卒中の後遺症などで麻痺部を動かさない状態が続く事でも同様の事が言えます。
つまり、脳は身体を動かさない状態を体験し続けると、身体の動かし方を忘れこれを「不使用の学習」と呼ぶそうです。

ですので、動かしにくい手足でも受動的ではなく、主体的にトレーニングしていく事が大切ということになります。
*詳しくは参考文献をご覧ください。