車いす生活でも柔らかくできる!?下肢の柔軟性アップの秘訣!

今回のユニバーサルトレーニングセンターの記事は
下肢の柔軟性アップの秘訣についてです!

以前の記事『車いす生活で硬くなってしまった筋肉を柔らかくする方法』では
肩と背中に関しての柔軟性の重要さやストレッチをテーマにしました。
今回は車椅子生活で特に硬くなりやすい下半身(股関節、膝、足首)を中心に
硬くならない為にはどうすれば良いかを見ていきたいと思います。

各部分のアプローチを見ていく前に
身体が硬くなりすぎるとそこから元に戻りづらくなってしまう状態
「拘縮(こうしゅく)」ってご存知でしょうか?

拘縮(こうしゅく)ってなに!?

拘縮とは?

下肢の柔軟性について触れる前に知っておきたいのがこの拘縮です。
Wikipediaで調べてみると

関節包外の軟部組織が原因でおこる関節可動域制限のことである

と書かれています。
あまり身体の事に詳しくないと何のことだが分かりづらいですよね。

簡単に表現すると
筋肉、腱、皮膚などが硬くなってしまい
本来なら
伸びきるはずの可動域まで関節が伸びなくなってしまう状態ことです。
そして、一旦関節が伸び切らなくなってしまうと再び元のように伸ばすにはとても難しいのです。

拘縮をケアするためには一日最低でも30分は拘縮の部位を持続的に伸ばさないといけない。
と述べている研究もあるので、そうなってしまう前に日頃から柔軟性を上げておくことが大切となります。

身体に多々ある関節の中でも、特に下半身の関節である股関節、膝、足首は
拘縮が起こりやすいのでしっかりケアしていきましょう。

股関節

股関節はもっとも硬くなりやすい関節のうちの一つです。
皆さんご存知の通り、車いすでの座位姿勢は常に股関節、膝関節が曲がっている状態です。
一日の大半を股関節が曲がっている状態で過ごすため、
残念ながら股関節を伸ばすという動作はとても限られてしまいます。

そして、ストレッチやケアを怠ってしまうと、
股関節の筋肉が固まってしまい拘縮のように
関節が完全に伸び切らない状態になってしまうことがあるので要注意です。

股関節が硬いかどうかを判断するにはうつ伏せになることで簡単に判断できます。

この写真のように腰が浮いてしまっているのは股関節が硬くなってしまっているサインなのです。

この状態を予防する為には、うつ伏せになりストレッチをすることが効果的です。
このようにうつ伏せで倒れているだけでも股関節のストレッチになりしっかり股関節を伸ばすことがでるのです。

また、この状態でも余裕があれば手をついて身体を反ってさらにストレッチすることも可能です。
腰を反りすぎてしまうと腰痛の原因になってしまうので、
この際にお腹になるべく力を入れて、腰が反りすぎないように注意が必要です。

膝関節

膝も股関節同様、硬くなりやすい関節です。
膝が伸び切らないとまっすぐ立つことができなくなってしまうので、膝の柔軟性は大切ですよね。

膝は車いす生活では2つの筋肉(ハムストリングスと腓腹筋)が膝裏で常に縮まっているため、
余計に硬くなりやすいのです。
そのため膝の柔軟性を確保するには、
ふくらはぎと腿裏を同時にストレッチすることが必要なのです。

膝を伸ばすには写真のように長座状態で
足首に紐やタオルなどを引っ掛けてることで簡単にストレッチできます。
しかしあまりにも硬いと膝が曲がってきてしまうので、
写真のようにしっかり手で押さえつけておくことで効果的なストレッチができます。

足関節

車いすユーザーで足がカタカタ動いてしまっている人を見た、または自分がそうだ、って人はいませんか?
これは、クローヌスといって脊髄など中枢神経が損傷した時に起こる、筋肉の反射が連続的に続いてしまう状態です。

クローヌスは血行をよくするためや筋量を維持するためにとても重要なのですが、
ケアを怠っているとこのクローヌスが原因で足首の柔軟性がどんどん低下してしまうことがあるのです。
今まで多くの車いすユーザーを見てきましたが、
健常者同様の正常な足首の可動域が確保されている人は本当にごくわずかでした。

足首の柔軟性を確保するには、膝を伸ばす時同様、
長座で足首に紐を引っ掛けてふくらはぎを伸ばすのが効果的です。

しかし、それだけではなかなか足首をまっすぐ伸ばしづらいため、十分なストレッチにはなりづらいのが現実です。

ではどうやって足首の柔軟性をあげるのが良いのでしょうか?

実は足関節の柔軟性をあげるには立位姿勢を取って
しっかり足に体重をかけることが一番重要なのです!

単に足首を伸ばすだけでは伸ばしづらいですが、
立位姿勢であればまっすぐ足首を伸ばすことができるので非常に効果的です。
また立位姿勢は足首だけでなく、上記の股関節、膝関節も同時に伸ばせるので一度に二度、三度美味しい。

でも車椅子ユーザーにとって家で立位姿勢を取るのは難しいですよね。

そんな時は Universal Training Center (UTC)のトレーニングです。

柔軟性をしっかり確保するためにも、日々のストレッチを欠かさずに行いましょう!!