今回のユニバーサルトレーニングセンターの記事は脊髄損傷の痛みに関してです。
脊髄損傷で車椅子生活になってから日毎痛みと格闘している方も多いのではないでしょうか?
そんなあなたの為にも、今回は文献を元に痛みに関しての問題点と治療法を探っていきます。
ご紹介する文献は、脊髄損傷後の神経障害痛の問題について
現時点での理解と近い将来可能になると思われる治療法を紹介しているものです。
脊髄損傷による痛みの問題点
脊髄損傷患者にとって痛みは非常に大きな問題ですよね。
痛みはリハビリの質や内容を悪くし、生活の質を低下させる原因となります。
そして脊髄損傷患者に痛みが及ぼす重要な影響は少なくとも3つあると言われています。
痛みが受傷後患者の多くに引き起こります。
多少の違いはあるが,脊髄損傷患者の痛みの調査では、65-85%の患者が痛みを経験しており、
そのうちのほぼ3分の1に激しい痛みがあったと報告されています。
実は脊髄損傷後の痛みは最も治療が難しいのです。
痛みと肉体的、精神的、社会的機能障害に深い関係があることは多くの研究で明らかにされていますが、
痛みは睡眠や日常生活に悪影響を及ぼし、
脊髄損傷による運動制限以上の機能障害を引き起こすと言われています。
また、痛みはリハビリへの参加、仕事への復帰という意欲も低下させることで運動を障害します。
そして、運動機能への影響は、生活の質と満足度などの健康の包括的な指標の低下に繋がってしまうのです。
脊髄損傷後の痛みの長期予後は良くないことが多いです。
多くの研究で、脊髄損傷後の痛みは持続もしくは時間の経過とともに、悪化することが報告されています。
受傷後の亜急性期(3~6 カ月)に神経障害痛があり、痛みは3~5年間続くことが多いそうです。
脊髄損傷による痛みの分類
脊髄損傷後の痛みは主に4つに分けられます。
筋・骨格の痛み、内臓痛、そして2つの型の脊髄損傷に特異的な神経障害痛であります。
第一の神経障害痛は、受傷したレベルの皮膚分節あるいは領域に起こるものであり、受傷レベルの神経障害痛と呼ばれます。
第二の脊髄損傷後の神経障害痛は、受傷レベ ルより尾側の広範囲に起こり、受傷レベル以下の神経障害痛と呼ばれています。
筋・骨格の痛み、内臓痛、そして2つの型の脊髄損傷に特異的な神経障害痛であります。
第一の神経障害痛は、受傷したレベルの皮膚分節あるいは領域に起こるものであり、受傷レベルの神経障害痛と呼ばれます。
第二の脊髄損傷後の神経障害痛は、受傷レベ ルより尾側の広範囲に起こり、受傷レベル以下の神経障害痛と呼ばれています。
痛みの治療方法
1. 外科的治療
脊髄損傷者は背骨をプレートやボルトで固定している方も多いと思います。
背骨が固定されることで背骨の動きが限定され、周辺の筋肉や関節が硬くなってきます。
この状態が続くと慢性痛や急激な痛みに繋がる場合があります。そんな場合外科的治療としてプレートやボルトを抜くことで痛みが緩和する場合があります。
背骨が固定されることで背骨の動きが限定され、周辺の筋肉や関節が硬くなってきます。
この状態が続くと慢性痛や急激な痛みに繋がる場合があります。そんな場合外科的治療としてプレートやボルトを抜くことで痛みが緩和する場合があります。
2. 薬物療法
痛みを患っている方の多くは何らかの服薬を処方されていると思います。
服薬によって一時的には緩和するかとも思いますが運動療法等と併用しがら痛みの原因を探る必要があると思います。
服薬によって一時的には緩和するかとも思いますが運動療法等と併用しがら痛みの原因を探る必要があると思います。
3. 心理療法、運動療法
脊髄損傷によって引き起こる痛みは多様性があり、動かなくなって固まった筋・関節の問題であれば運動療法等で緩和が可能であると言われています。
しかし、神経系の痛みで本来痛くないレベルの刺激でも過敏に反応して通常よりも痛いと錯覚して感じ取ってしまう痛みに関しては、
運動療法によって軽減させることが難しく、過敏な痛みに関しては脳で痛みをコントロールしているゲートを運動や薬、瞑想等で活性化しすることで痛みレベルをコントロールできるとの報告されています。
しかし、神経系の痛みで本来痛くないレベルの刺激でも過敏に反応して通常よりも痛いと錯覚して感じ取ってしまう痛みに関しては、
運動療法によって軽減させることが難しく、過敏な痛みに関しては脳で痛みをコントロールしているゲートを運動や薬、瞑想等で活性化しすることで痛みレベルをコントロールできるとの報告されています。
痛みとの戦い
脊髄損傷者の痛みは日常生活や仕事に直接影響してきます。
また天候や気温などの環境によって日々痛みのレベルが変化するのではないでしょうか?
当事者でない我々は真に脊髄損傷者の痛みを理解することが難しいですが、少しでも慢性的な痛みが緩和されて日常生活が過ごしやすくなることを願っています。
痛みでお困りの方はぜひご相談ください。
参考文献
- 「日本ペインクリニック学会誌 Vol.17 No.2, 125~133, 2010」