皆さん、骨の健康を意識したことはありますか?
今回のユニバーサルトレーニングセンターの記事は、車椅子生活と骨密度に関してです。
実は、車椅子生活が長くなると、骨がどんどん脆くなって折れやすくなってしまいます。
ちょっとの転倒で骨折してしまったという方も多ので、実は骨には注意が必要なのです!
車椅子生活での骨密度と骨粗しょう症
骨密度とは骨の中身がどれだけしっかりぎっしり詰まっているかを調べる指数です。
英語ではBone Mineral Density (BMD)と表記されます。
骨はコラーゲンやミネラルといった物質から成り立っていますが、
それがぎっしりと骨に詰まっていると骨が強く、折れづらく、
逆に骨がスカスカだと脆く折れやすい状態になってしまいます。
みなさん骨粗しょう症という病気を聞いたことがあるかと思いますが、
これはこの骨密度が成人平均と比較して70%以下になってしまう症状です。
骨密度が低くなるということはちょっとした衝撃で骨が折れやすくなるということです。
ちょっとつまづいた際に膝を打ったり、手首をついたり、
そうしたひょんとしたことから骨折になってしまうのです。
車椅子生活でどうせ足に負担をかけないから、どっちにしろ変わらないよ。などと侮ってはいけませんよ。
骨折を機に生活の幅が一気に狭まってしまったり、
骨折箇所によっては寝たきりになってしまったりして車椅子に乗れなくなってしまうこともあるのです。
その為、骨密度を高く保っておくことはとても重要です。
車椅子生活では骨密度が下がり続ける!?
一般的に20代から30代で骨密度はピークを迎え加齢と共に減少していってしまうのです。
特に女性は更年期になるとエストロゲン(女性ホルモン)が減少してしまい、骨密度は下がりやすくなります。
しかし、これは健常の成人での情報なので、
これが車椅子生活になるとさらに体重のかかっていない足の骨密度は下がる一方なのです。
ここで注意しいたいのが、骨密度は下肢の骨密度であるということです。
一般的には大腿骨で測られることが多いですが踵骨(かかと)で測られることもあります。
ちなみに腰椎で骨密度を測ると受傷後骨密度が上昇するというレポートも報告されたりしています。
車椅子生活になってずっと座位が長く続くことでしっかり腰には負荷がかかっているということですね。
脊髄損傷を例にとると、受傷後2年は骨密度が低下し続けるとされており、その後はプラトーを迎えるとされています。
個人差もありますが、この時の骨密度は40~50%程度が多く、
骨粗しょう症と診断される70%からさらに20~30%も大きく下がってしまうのです。
これが高齢時の受傷であったり、車椅子歴が長いとどうでしょうか?
これよりさらに下回ることもざらにあります。
中には骨密度30%台なんて人も脊髄損傷者では多くいたりするのです。
更に、そのような人たちが車椅子から転倒したらどうでしょうか?
考えるのも怖いですが、
残念ながら、やはりいとも簡単に骨折してしまう可能性が非常に高いのです。
車椅子生活で骨密度を維持する為には?
じゃあ骨密度を増やせばいいじゃないか!増やさなきゃいけないじゃないか!となりますよね。
実は、骨密度をあげるということは健常者でもなかなか大変なことなのです。
先にも述べたように加齢と共に骨密度は徐々に減少していきます。
また、車椅子生活では骨密度は一般的に下がっていく一方なので、
通常の車椅子生活をしていてはその状況を変えることは難しいとされています。
その為、基本的には骨密度が一定数より減少しない為にできる限りのことをして、
現状を維持するということがとても大切になります。
では、車椅子生活で骨を健康に保つ為には、どうするか?
それは、足に荷重をかける、つまり立つ、歩くという事しかありません。
そんな事いっても立てない、歩けないからそうなっているんじゃないか!
という声が聞こえてきそうですが、その為に我々ユニバーサルトレーニングセンターでは
立位トレーニングを積極的に行なっているのです。
もちろん、骨密度が低い状態での立位は、安全性が確保されないと行うのは難しいです。
足への荷重、負荷の方向が間違っていると骨折のリスクが増えてしまうので、
一人で立位にチャレンジする際には十分に注意しなくてはなりません。
それでも、なるべく立位時間は増やした方がいいことには変わりません。
もし、一人で立位トレーニングをしたいけど、何に注意していいか分からなく、不安だ。
という方がいても、我々が安全に立位トレーニングをするちょっとしたテクニックや、注意点をご指導させていだだきます!
ご自宅で立位トレーニングをしたいという方はこちら。
皆さんもしっかり足に負荷をかけて、骨まで健康に保ちましょう!!
骨密度を保つ食事!骨粗しょう症を予防しよう
ここから2020/10/31更新情報
骨密度を低下させないためには運動だけでなく食事も大切です。
特に骨粗しょう症の予防に効果がある栄養素には
- カルシウム
(大豆、牛乳、乳製品など)
※ カルシウムの摂取推奨量は、1日700~800㎎。 - ビタミンD
(魚、卵、椎茸など) - ビタミンK
(納豆、ほうれん草、キャベツなど)
などが良いと言われています。
さらにカルシウムの吸収を促進してくれるビタミンDは積極的に摂取すると良いとれています。
定期的な運動と毎日の食事で骨密度を予防していきましょう!
【参考文献】