【障がい者の機能改善】訪問型パーソナルトレーンングの紹介

ユニバーサルトレーニングセンターでは障がい者専門の訪問型パーソナルトレー二ングを行っています。
訪問リハビリや訪問看護を利用した事がある方は、訪問サービスの流れがイメージしやすいと思います。
しかし、訪問サービスを利用された事がない方では実際の流れや「どんなトレーニングをしたり」、「どんなことまで家でトレーニングできるのか」少しイメージしづらいと思います。
そこで、今回は頸髄損傷者のお宅での訪問トレーニングの様子をまとめてみました。

クライアント紹介

  • 頸髄4、5番損傷
  • 完全損傷
  • 痙性あり
  • 電動車椅子使用
  • トレーニング頻度、週2回

彼女は日常から強い痙性(ケイセイ)に向に悩まされ、一定方向に加わる力によって体幹の歪みが生じてきます。
日中は仕事で車椅子の時間が長く、痙性も強いため身体が硬くなりやすい状態です。
仕事やライフスタイルに合わせたトレーニングとトレーニングを継続していくために訪問でのパーソナルトレーニングを選ばれてます。

彼女の詳しい紹介はこちら

トレーニング紹介

ご自宅に訪問したらまず、その日の体調や怪我がないかチェックさせていただきます。
特に雨の日や仕事が忙しい時などは状態がいつもより変化しやすいものです、その少しの変化をトレーナーは見逃さずトレーニング強度の参考にします。

ストレッチ&可動域チェック
ストレッチ&可動域チェック
もも裏から腰のストレッチ
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ベッドに移動したら、可動域や痙性(ケイセイ)の状態を確認をしながら身体チェックとコンディショニングを実施していきます。
その日のコンディションによってトレーナーが瞬時に判断し、メニューはカスタマイズされます。
トレーナーはクライアントの身体を触る事で多くの情報を手からキャッチしています。
立位やトランス、プッシュアップのパフォーマンスに身体の硬さや痙性(ケイセイ)がどれくらい影響されるかなどを計算して、ストレッチやコンディショニングの時間、強度を決定していきます。

立位トレーニング
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彼女は立ち上がると伸びる痙性で膝をトレーナーが抑えなくても自身で保つことができます。
このように時に痙性は悪物ばかりでなく、立った時に膝が曲がらないように踏ん張ってくれる力を与えてくれます。
ですが、痙性の強さも日によってまちまちな為、立ちやすくなるようにトレーナーが痙性の強弱をコントロールしたりもします。
身体の硬さと痙性の強弱の程度をトレーナーがコントロールしながら、クライアント自身の感覚と擦り合わせてトレーニングが行われます。

彼女のように立位を保つには股関節、膝関節、足関節の柔軟性が必要です。
この3つの関節は車椅子生活で硬くなりやすい部分です。
特に股関節、膝関節は車椅子上では約90度に曲がった状態が続きます。
そのため、股関節や膝が硬くなっていると立った時に体が起こせなかったり、膝を伸ばすことが難しくなります。
その結果、より一層立つ動作に力が必要になってしまい、立位を保つことが非常に難しくなります。

彼女も生活や仕事で長時間、車椅子に座っていることが多いため、股関節、膝間接、足関節が硬くならないようなコンディショニングを行なっています。

うつ伏せトレーニング
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うつ伏せからの起き上がり
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続いて、うつ伏せになり車椅子生活で硬くなりやすい背筋や肩甲骨周囲のコンディショニングを行います。
車椅子ユーザーは普段、うつ伏せになる事は少ないと思います。
うつ伏せは、車椅子ユーザーが硬くなりやすい股関節、膝関節を同時にストレッチできます。
また、背中や肩甲骨が常に車椅子やベッドに接していると、そこの動きがどうしても悪くなりがちです。
うつ伏せは背中や肩甲骨が接していないため、背中や肩甲骨周囲のトレーニングが行いやすいという利点もあります。

彼女の場合は写真のようにうつ伏せから自力で手つきの状態の起き上がってくるトレーンングも行います。
肘を伸ばしておく筋肉が弱いため、この姿勢を保つ事は彼女にとって非常に難易度が高いトレーニングの一つです。
徐々に重心移動や肘を伸ばす筋力の向上によってかなり安定して動作を行えるようになってきたんです。

ストレッチポールでバランストレーニング
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ストレッチポールという発泡スチロールを圧縮したポールを使用して体幹トレーニングをしたり、身体の歪みを整えます。
ストレッチポールに乗ったことがある方はわかると思いますが、非常に不安定ですよね。
健常者でも手放しでバランスを取る事は難しいと思います。
彼女は麻痺があり、肩から下をうまく動かすことが難しいのですが、体幹や手を使ってバランスを保つことが可能できます。
彼女の様に麻痺している部分を意識して、さらに麻痺部を使ってバランスを保つ事はかなりトレーニングを積まないと難しい場合が多いです。
トレーニングの時だけでなく、普段から麻痺部を意識して生活したり、動かすことが大切です。
例えば野球選手がバッドを何万回も振って会得する感覚に近いかもしれません。

身体は必ず変化する

トレーニングによる座位勢の変化
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写真を見ていただけたら彼女の変化に気づくと思います。
左から右へ座っている姿勢の変化を比べたものです。

以前は肩甲骨を内側に寄せることができず、背中も丸まった状態で、手を少し前方に付かないと身体が前に倒れてしまっていました。
また、姿勢を保持するために体幹の力ではなく、肩や首でバランスをとっていました。

腕や肩甲骨周囲、体幹のトレーニングを継続してきた事で、現在では写真のように綺麗な姿勢を保てるようになりました。
この様に頚椎4,5番損傷の方が綺麗な姿勢を作るには肩甲骨周囲の筋肉で背中から骨盤まで引っ張って体を起こしてくる力が必要になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ユニバーサルトレーニングセンターでの訪問トレーニングの様子をご紹介させていただきました。
ご紹介した訪問トレーニングは一例です。
基本的にはその日のコンディショニンに合わせて、トレーナーがトレーニングをカスタマイズしていきます。

彼女の場合は強い痙性に引っ張られて姿勢の歪みが大きくなると、全ての動作のパフォーマンスが低下するため、全身の硬さや痙性の状態を整える事からトレー二ングが始まります。
そして、立つ、座る、トランスファーなど状態に合わせて目標に向けたトレーニングを実施していきます。

彼女のように車椅子生活によって身体の硬さや歪みが生じている車椅子ユーザーの方は多いのではないでしょうか。
身体のメンテナンスも含めユニバーサルトレーニングセンターでは週2回以上のトレーニングを推奨しています

家でできる動作を増やしたい、体の歪みや硬さを直したい、家で立ちたいなど目標や目的はそれぞれだと思います。
ユニバーサルトレーニングセンターのスタッフは豊富な障害者とのトレーニング経験から、様々な障害とその方の目標に合わせて、オーダーメイドのトレーニングプログラムを提供しています。

仕事や家庭、天候などに影響されにくく、自分のライフスタイルに合わせた運動が可能な訪問型のパーソナルトレーニングを体験してみませんか。

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