病院を退院された脳卒中の方々、機能回復を諦めてはいませんか?
制度的な問題で、脳血管疾患(脳卒中など)は回復期リハビリテーションに最長で180日までしか入院できません。
なぜ180日なのか?
一般的に脳卒中片麻痺の機能回復は 6 ヶ月までにストップし、発症から 6 ヶ月以降の麻痺肢機能の改善は難しいと考えられているためです。
そのため慢性期リハビリテーションの役割を担う通所リハビリテーション等では、他動運動 やマッサージが中心に施行され、麻痺肢に対する機能改善を目的とした治療が実施されていないことも多いそうです。
そんな、一般的な常識に待ったをかけた一つの研究をご紹介します。
脳卒中による片麻痺の研究
慢性期片麻痺者に対し通所リハビリテーションにて週 2 回の頻度で促通反復療法を実施し、 麻痺側上肢機能改善に着目した効果を検討したものです。
研究の対象者は通所リハ利用中の慢性期片麻痺者 28 名。
通常治療群(以下、通常群)11 名、促通反復療法群(以下、促通群)17 名。
通常治療、もしくは促通反復療法をそれぞれ 1 回 30 分、週 2 回の頻度で 12 週間実施。
通常群は、関節可動域や筋力増強など伝統的な片麻痺治療。
促通群は促通反復療法に加え、ルーチン化されている振動刺激、低周波刺激を併用した運動。
通常トレーニング群は介入前後で大きな変化は認めなかった。
促通群はトレーニング前後で、上肢、手指共の改善を認めた。
指の機能改善に関して、通常トレーニング群と促通トレーニング群で改善に差はなかったが、促通群の方がより改善する傾向にあった。
発症から 6 ヶ月を経過した慢性期片麻痺者において、週 2 回の頻度でも促通反復療法を行うことによって機能回復の可能性が認められた!!
皆さんはこの結果をどう捉えますか?
麻痺した上肢を使わなくなれば、機能的に使えなくなるだけでなく、脳が使うことを忘れてしまいます!!
英語や漢字も使わなければ忘れませんか?
それと一緒だと私は思っています。
脳卒中者の運動は他の疾患と異なり単に運動すればいいとは限りません。
麻痺をした部分に無理に力を入れると筋緊張が高まって特定のパターンでしか動くことできなくなってしまう場合があります。
運動は指導を受けた元、適切な方法で実施し、機能回復を目指していきましょう。
2 コメント.
とても興味深い研究なので、ぜひ私たち日本障がい者立位テニス協会のFacebookでシェアさせて下さい。
コメントありがとうございます。
是非シェアお願い致します!