皆さん車椅子のメンテナンスは定期的に行っていますでしょうか?
車椅子で生活されている方は「動作が鈍い」「操作しにくい」といった不具合を一度は経験がした事があるかと思います。
このような車椅子の不具合を放置したまま生活を続ける事で、無駄な力を使ったり肩こりなどの原因にもなりかねません。

当記事ではそんな車椅子の操作性を悪くしてしまう原因についてお伝えしていきます。

目次

  • 車椅子の操作性を悪化させる原因
    −キャスターのゴミ
    −キャスターの劣化
    −タイヤ空気圧
    −タイヤ劣化
    −車椅子が体に合っていない
    −クッションの厚み
    −「折り畳み式」「固定式」の漕ぎやすさ

この記事は、理学療法士やアスレチックトレーナーとして障害者、車椅子ユーザーのリハビリ、トレーニング経験を多く持つ、障害者専門のパーソナルトレーナーが書いています。

車椅子の操作性を悪化させる原因

車椅子の操作性を低下させる原因について「タイヤ」「車椅子の適合性」「クッション」の観点からお伝えしていきます。

キャスターに絡みつく「ゴミ・ホコリ」

 

車椅子の操作性を悪くする原因で多いのがこの前輪(キャスター)部分のホコリや髪の毛の絡まりです。
知らず知らずのうちに前輪の車軸にホコリや髪の毛が絡まりどんどん動きを悪くしていきます。

メンテナンス方法は前輪を取り外してホコリを除去するのが一番いいのですが、工具がなかったり難しい場合もあります。
その場合は、目に見えるホコリや髪の毛をピンセットや綿棒で除去するだけでも十分効果があるため、ぜひチェックしてみてください。

 

キャスターの劣化

前輪のキャスターは車椅子の部品で最も衝撃やダメージを受けやすく、段差にぶつかったり、ガタガタ道の走行などでひび割れや破損をしてしまいます。
頑丈に作られていますが、日々の衝撃の蓄積でキャスター自体が「凹んでいる」「ボコボコしている」「亀裂が入っている」などのダメージを負っている場合があります。

このような場合は、新品に取り換えるしかありませんが、頻回に破損する場合はキャスター自体の大きさや種類を見直したほうがいいかもしれません。

 

タイヤの空気圧

車椅子の操作性を奪う原因で最も多いのがこの空気圧で、空気が抜けた状態で使用すると漕ぎにくくなるだけでなく以下のような影響を及ぼしてしまいます。

  • タイヤが潰れ摩擦が大きくなり、車椅子が重く感じる
  • ブレーキの掛かりが甘くなり、トランスファーで車椅子が動く危険がある
  • タイヤのひび割れや劣化を招く

このような影響が起こる前に以下のチェック項目で空気圧をチェックしてみましょう。

【空気圧をチェックする方法】
①空気圧メーター
正確にチェックするには空気圧が測定できる空気入れが必要です。
タイヤ側面の数字が適正空気圧になりますので、メーター付きの空気入れをお持ちの方はその数字を目安にしてください。

②指や目視でのチェック
空気圧メーターがついた空気入れを持っていない方も多いですよね。
そんな方は「親指で強く押して凹まないか」「乗車時に鏡でタイヤが凹んでいないか」などでチェックする事ができます。

上記でお伝えした通り、空気が抜けた状態で使用していると様々な不具合が生じてくるため、タイヤの空気がなくなる前に定期的に補充することをお勧めします。

 

タイヤの劣化

前輪と同様に後輪のタイヤも劣化しやすい部分です。
タイヤと地面の接地面積が狭いほど摩擦抵抗が減り軽い力で進む事ができます。
自転車のタイヤと同様にすり減りる事で、地面との摩擦が大きくなり推進力が奪われてしまいます。

パンクでもしない限り、なかなかタイヤを交換する機会は少ないと思いますが、あまりにもすり減っていたり亀裂がある場合は取り換えるいい機会かもしれません。

 

車椅子が体に合っていない

写真は明らかに身体に適合していない車椅子です。
例えば「座面が広くて、低い」「車椅子を漕ぐときに肩が上がっている」などが見て取れます。

この写真のように明らかに身体に合っていない車椅子を使用していたり、一見、合っているように見えて実は身体に適合していない車椅子を使っている方もいらっしゃいます。

なぜこのような事が起こるのでしょうか?
それは「入院中の身体」と「現在の身体」に違いがあるからです。

入院中は毎日リハビリがあり、その間に車椅子を作成する事が多いと思います。
しかし、退院後はリハビリが一気に減る事で入院中よりも身体機能が衰えたり、生活の中での癖や身体の歪みが起こってしまう場合があります。
このギャップが原因で今の身体に適合した車椅子ではなくなってしまっている方がいるのです。

車椅子の作りかえは6年に一度と定められていますが、それより前に作り替える場合は実費でも可能です。
あまりにも現在の身体と適合していない場合は新しい物に変更するのも一つの手です。
また、クッションの見直しやタオルをかませる事で多少の調整が可能です。

車椅子と身体の適合性チェックポイントについて

 

クッションの厚み


出典:
テレウス株式会社

クッションを色々と変更されている方は製品によって厚みや座った時の沈み具合に大きく違いがある事をご存知だと思います。

そこでクッションを変更する際には以下の事を気をつけてください。
【クッションが厚すぎる】
・座面が高くなりタイヤから手が遠くなる
・フットレストに足が付かなくなる

【クッションの厚みが減る】
・手とタイヤが近すぎて肩が上がってしまう
・膝の位置が高すぎて、後ろ重心になる

クッションが変わると事で、車椅子と身体の適合性が悪くなり操作性に大きく影響を及ぼす可能性があります。
その為、変更を検討している方はこの辺も念頭に置いてクッションを選びましょう。

 

「折りたたみ式」「固定式」漕ぎやすいのはどっち?

車椅子の豆知識!
「折りたたみ式」「固定式」の漕ぎやすさの違いについて。

【折りたたみ式】
車体中央のクロス部分での軋みが生まれやすく、漕ぐ力が分散されやすい特徴があります。

【固定式】
中央のパイプが固定されており、折りたたむ事ができない一方で、漕いだ力が分散せずタイヤに力を伝える事ができる特徴があります。

漕ぎやすさで見ると、固定式の方が小さい力で大きく進む事ができるので、駆動性を重視する車椅子を買う際には一つの参考にしてみてください。

まとめ

車椅子の操作性を悪くする原因は

  • 車椅子のタイヤなど部品の問題
  • 車椅子と身体の適合性の問題
  • クッション等の厚みや硬さの問題

などがあり、多くの場合はこのどれかに該当すると思われます。

車椅子の動きが悪いなと感じている方は、まずは簡単に解決できるタイヤのメンテナンスから見直し、操作性をUPさせましょう!