EMSなどの電気刺激機器は用途によって様々な刺激方法があるのをご存知でしょうか?
例えば筋トレ用や痛みの緩和、怪我の治癒促進などで電気のタイプが異なるのです。

そこで当記事では刺激タイプの違いや用途別に分けた使い方を脊髄損傷や脳卒中の方向けにご紹介します。

*EMSとは
EMS=Electrical(電気的) Muscle(筋肉) Stimulation(刺激)の頭文字をとった言葉で「電気を送ることで筋肉を刺激し動かす」機器の総称です。

目次

  • 電気刺激タイプの違い
    −TENS
    −EMS
    −MCT
  • 目的別で選ぶ電気刺激機器
    −筋トレ、むくみ軽減、鎮痛、電気が苦手、痙性の軽減
  • EMSを実際に2カ月使用した感想
  • まとめ

この記事は、理学療法士やアスレチックトレーナーとして障害者、車椅子ユーザーのリハビリ、トレーニング経験を多く持つ、障害者専門のパーソナルトレーナーが書いています。

電気刺激タイプの違い【TENS・EMS・MCT】

電気刺激によって筋や神経を刺激する機器にはそれぞれ使い方が大きく異なります。
これを知らずに購入してしまうと、目的に合わず効果を発揮できない可能性があるため、まずはそれぞれの違いをチェックしましょう。

 

TENS(経皮的電気刺激)

主に感覚神経を刺激して痛みの感覚を鈍らせる治療法です。
TENSには「切り傷や打撲などの痛み」「神経障害で起こる神経性の痛いみ緩和」の2通りあります。

TENSは痛みを伝えている神経を途中で遮断し、情報伝達を混乱させる事で痛みを感じにくくしています。

脊髄損傷や脳卒中の後遺症では麻痺部からの神経性の痺れや痛みが起こる事があります。これによって睡眠や生活に支障をきたす場合もあるため、この様な方はTENS刺激が行える機器を選択するのも一つの手段ですね。
また脳卒中のリハビリでも痙性を弱める目的で用いられる事があります。

TENSの詳しい理論を知りたい方は参考文献をご参照ください。
*TENS=Transcutaneou Electrical Nerve Stimulation

EMS(神経筋電気刺激)

EMSは一般的な家庭用の機器に導入されており、皆さんも一度は耳にした事があると思います。広範囲に筋肉や神経に刺激を与えて強制的に筋肉を収縮させます。

EMSは、脊髄損傷や脳卒中などの後遺症で筋肉が衰えてしまう事を防ぐ目的で使用でき最も普及しているため簡単に入手する事ができます。

 

MCT:マイクロカレント(微弱電流療法)
MCT (micro current electric therapy)=マイクロカレント

マイクロカレントは非常に小さな電流によって、怪我や痛みの治癒に効果が高い療法です。
人の体には生体電流が流れており、マイクロカレントはこの生体電流に似た微弱な電流を用いる事で傷ついた組織の修復を促進させるメカニズムとされています。

微弱電流のため一見、全く反応がなく効いてるのかな?と思うのですが、筋肉の収縮を起こさない事がこの機器の特徴です。

目的別で選ぶ電気刺激機器

電気刺激の目的は筋力増強や鎮痛をメインに使われる事が多いのですが、それ以外にも様々な事に使用ができます。

 

筋トレ、むくみ軽減、鎮痛、電気が苦手、痙性の軽減

【麻痺筋の筋トレ用、むくみ軽減 → EMS
脊髄損傷・脳卒中では身体麻痺によって筋力低下が起こりやすく、衰えてしまった筋肉を取り戻すには時間がかかるため、早期からEMSの様な機器で筋肉を刺激していくことも大切です。
また、寝たきりの高齢者などの運動が難しい方にも安全に使用する事ができます。

【電気が痛い、苦手な方、脂肪燃焼 → 高周波のEMS
低周波特有のピリピリとした電気の痛みが苦手な方は皮膚抵抗が少ない高周波の機器を使うと、ピリピリ感を感じる事なく筋トレが可能です。
また、脳卒中では感覚が敏感になる事があり、微弱な電流でも痛みを強く感じてしまう場合があります。この様な方にも痛みが少ない高周波機器がおすすめです。

腹部の脂肪燃焼をさせたい方にも高周波がおすすめです。高周波は身体の15cm内部まで刺激が伝わるため、脂肪が厚い腹部でもインナーマッスルまで刺激する事がでます。

→メタボシェイプDI

【鎮痛、痙性の減弱 → TENS
主に疼痛の緩和目的で使用される事が多いTENSですがそれ以外にも、痙性が強く生活に支障をきたしてる方や身体が固まってしまっている方などに痙性を弱める目的で使用する事ができます。
これはターゲットとする神経が個人で異なり判断が難しいため、リハビリの先生などに相談の上での使用をおすすめします。

→オムロン 温熱低周波治療器 HV-F312

【怪我の治癒促進 → MCT
車椅子ユーザーの方は足首の捻挫や知らずに怪我をしていたという経験があると思います。また怪我だけでなく、感覚麻痺から思わぬ火傷を負ってしまうことも・・・。
そんな場合の治癒促進にマイクトカレントを使う事ができます。

→イトーエスパージ

実際にEMSを2カ月使用した感想

これは私が実際に2カ月間、EMSを腹部に貼り効果を検証した経験談になります。
使用した時の条件は「オフィスワークをしている1日1時間、週5回の2カ月間」となります。

【経過と効果】
刺激を初めて数日で筋肉痛に似た痛みが現れ、予想に反して効果あるな!と実感しました。
3週間が経過した時、次なる変化として便通が良くなったと感じました。おそらく、腹部の刺激によってお腹や腸が動かされ、便通が改善したものと思われます。
そうして刺激を続ける事、2カ月が経過した頃から見た目の変化や筋肉痛もなくなり、この辺が限界かなと使用を終了しました。

【結果と感想】
2カ月間、全く腹筋運動をしなかったがある程度、腹筋がついた感じがありました。
しかし、一定の所で効果が止まりそれ以上は変化しなかったため、やはり電気刺激だけでなく筋トレが必要なんだなと実感!
この様に自分の体でEMSの効果を確認できたため、脊髄損傷や脳卒中の麻痺筋の筋力維持・向上に役立つなと確信しました。

ちなみに私が使用したEMSはこちらになります。メタボシェイプDI

まとめ

  • 電気刺激機器は用途に合わせて選択する
  • 筋トレ以外にもむくみ軽減、脂肪燃焼、痙性の減少にも使用可能
  • 脊髄損傷や脳卒中など自力では筋トレが難しい部分や寝たきりの高齢者などでも安全に使用可能

一般的に販売されている電気刺激機器は数が多く、価格も様々で購入を考えたがどれがいいか分からず、諦めたという方も多いと思います。
そんな方々が機器を購入する前に少しでもお役に立てたら幸いです。

【関連記事】

【車椅子ユーザー】周波数の違いで異なるEMSの効果と使い方とは

【参考文献】

  1. 土井,TENS周波数、強度、および刺激部位パラメーター操作が健常人の圧痛閾値に及ぼす影響,2003,11月:106(1-2):73-80
  2. 藤谷博人,スポーツにおける微弱電流刺激療法,聖マリアンナ医科大学雑誌,Vol.45.pp.265–269,2018
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