脳卒中で半身マヒになられた方は自主トレでどんな事をされてますか?
手や指など体から遠い部分はコントロールが難しく、間違った方法を繰り返す事で逆に悪化させてしまう可能性もあるのです。

そこで今回は脳卒中の「自主トレで注意すべき点」とおすすめリハビリ方法「手・指」についてお伝えします。

手・指の自主トレ前に体幹の安定性を作ろう

脳卒中の自主トレで中止すべき点「手・指」

人が物を握る前にはいくつかの段階を踏みます!
例えば「指を開く」「重心を移動させる」「手を伸ばす」などの動きが必要で、単に掴む練習をすればいい!というわけではないのです。

【麻痺した指は硬くなりやすい】
脳卒中によって麻痺した指や手首は握る方向に力が入りやすく、そのまま固まってしまう場合があります。
また、指や手のひらは動き以上に感覚を捉える事に優れた部分です。
そのため手で感覚を感じ取ることが手や指の動きにおいて重要になってきます。

【手の重さに負けて重心が移動できない】
手を伸ばす動作は、前や横などへの重心の移動が必要になるため、肩甲骨や股関節、体幹の安定性が重要にななります。
ここで、以前の記事、脳卒中で注意すべき点とおすすめリハビリ「肩・腕、股関節・体幹」でお伝えした運動が効果を発揮します。

【手を伸ばす時、余計な力が入る】
麻痺した手を伸ばす際には過剰は動き「体を傾ける」「後ろに反る」代償動作が起こりやすく、手を伸ばす方向と逆の力が働いてしまいがちです。
このような動作を繰り返す事で変な癖や痙性が増強してしまう恐れがあります。

これらの要素を踏まえた上で自主トレをご紹介していきます。

脳卒中の自主トレ 

脳卒中の自主トレーニング パート1

  1. テーブルに「まくらやクッション」などを置き胸と頭を預け、両手を頭の上に乗せます(図1-1)
  2. 肩甲骨を寄せながら、麻痺側の肘を上げ5秒ほど保ちましょう(図1-2)
  3. ゆっくり肘を降ろし、動作を繰り返します

*手が頭の裏まで回らない方は耳の横に手を置いて行ってください(図1-3)

効果
手を動かすには肩甲骨から!まずはこの動作で代償動作(体を傾ける、後ろに反る)を抑えながら腕、肩甲骨のトレーニングをしましょう。

脳卒中の自主トレーニング パート2

  1. テーブルに「まくらやクッション」などを置き胸と頭を預け、両手を耳の横に置き麻痺側の肘を上げます(図2-1)
  2. 高さが下がらないように、肘を横にゆっくり曲げ伸ばししていきます(図2-2)

効果
代償動作(体を傾ける、後ろに反る)を抑え、肩甲骨の安定性を保ちながら空間で手を動かす動作の練習が可能です。

脳卒中の自主トレーニング パート3

  1. 麻痺側の手のひらや指のひらを優しく押し麻痺側の手の感触や厚みを感じてください(画像なし)
  2. 親指と小指の付け根の間を広げるようにマッサージします(図3-1.2)
  3. 両手で指を組んで握り、麻痺していない手で麻痺側の手(右)を軽く握りながら手首を返します(図3-3)

効果
手の感覚を呼び覚ましてあげることで麻痺側の手から情報が脳に伝わりやすくなります。
麻痺している手では親指と小指の付け根、指と指の間が硬くなりやすく、ここが硬いと指の動きが悪くなるため、積極的にマッサージしていきましょう。

脳卒中の自主トレーニング パート4

  1. 麻痺側の手首を麻痺していない方の手でサポートしながら肘の曲げ伸ばしを行います(図4-1.2)
  2. 手を伸ばしていく時は手首を少し上げるようにします(図4-3)

*サポートがないリーチ動作は体を傾けたり、過剰に肩が上がりやすいため麻痺していない方の手でサポートしながら行ってください。
また、物を掴みに行く時は手を少し背屈(図4-3)にしながら行う為リーチ動作を同時に意識してみてください。

効果
麻痺側で頑張って動かすのではなく、麻痺していない手でサポートすることで変な癖や緊張が入りにくい効果があります。
何かを掴みに行く時、少し手の背屈(図4-3)という動作が自然に起こるため、リーチ動作時に同時に行ってください。

まとめ

いかがでしたか?
すでに肘や肩が硬く伸ばしにくい方は今回ご紹介した運動が難しい場合もあります。
その際は下にある動画のストレッチを取り入れ、柔軟性をUPさせる事から始めてみてください。
また手のひらや指は感覚情報を受け取る為に優れた部分です、その為麻痺側の手で色々な物に触れて触った感覚の違い(丸い、鋭い、ザラザラなど)を探ってみることもおすすめです。

まとめ

  • 体を横に傾ける、体を反らす、肩を過剰に挙げるなどの代償動作に注意する
  • 肘や手を動かすには手の重さに負けない体幹や肩甲骨の安定性が必要
  • すでに肘や肩が硬い方はストレッチで柔軟性をUPさせる事から始める
  • 手、指で触った違いを感じやすくすることで動きにも繋がる
  • 動作はゆっくり行う
  • 痛みがない範囲で行う

以上の事を念頭に置いて日々の身体のケアを行なってみてください。

参考文献

  1. 回復期脳卒中患者の麻痺側上肢の近位機能と日常生活における上肢スキ ルの関係
  2. 脳血管障害片麻痺患者の上肢に対するアプローチ
  3. 片麻痺の体幹の崩れ